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「盛る楽しさをつたえるお話と食事会」後記
先日の「盛る楽しさをつたえるお話と食事会」にお越しいただいた皆さま、誠にありがとうございました。
この食事会は今回で2回目となります。普段の生活のなかで、器をどう使ったら食卓をより豊かにできるのか…。器の作家さん本人が、ご自身の作品にITOHENの料理を盛り付けることで、そのヒントを伝えてくださるというイベントです。

今回は、お食事の前に作家さんのお話を聞く時間も設けました。登壇していただいたのは、安達健さんと田中大貴さんのお二人。KnulpAAの町田さんにナビゲートしていただいてのお話となりましたが、この内容がとても面白かったので、私なりの解釈ですこしご紹介したいと思います。

安達さんは「日常を深く見つめていくと茶事に通じる」と仰いました。作法にうるさく堅苦しいイメージの茶道ですが、もともとは日常の生活のなかに美を見出し、それをさらに洗練させていったもの。逆に言えば、いまの私たちの普段の生活のなかにも、茶道の美しい所作の源が宿っているとも言えます。

「器を使うことで、なにか“改めさせてくれる”というような気がしています」と仰ったのは田中さん。私たちが持っている美しさの源は普段なかなか思い出せません。でも作家ものの器を使うことは、それを意識できるきっかけの一つになるのかもしれません。

たしかに作家ものの器を使うと、量産品とは違う緊張感があります。平たく言えば、気を使います。だから、いつもより動きは遅くなります。すると普段は無意識にやっていることを、一度考えてから行うことになります。
器を形や色を見直して、盛り付けをちょっと丁寧にやるかもしれません。音を立てずに食卓に器を並べようとしたり、テーブルにきちんと平行に並べようとすることもあるでしょう。その動作や心持ちのひとつひとつが、生活を「改めさせてくれ」、ひいては「日常を深く見つめていく」ことに通じることは想像に難くありません。

「毎日でなくたっていいんです」というのは、二人とも口を揃えて仰っていたことです。流されてしまいがちな日常を見つめ直したいと思ったそのタイミングで。でも人間は弱いから、心に思っただけでは、なかなか立ち止まれなくて。だから器というモノを持ってくることで、身体的な制約をつくり、自分をチューニングしやすくできる環境をつくるのは、とても理に適った良い方法な気がします。

「安達健 陶器展」はknulpAAにて、9/15(土)〜24(月)まで。 是非ぜひ、足をお運びください。